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後楽館高校ブカツ探訪No.16 十三弦が紡ぐ和の調べ~箏曲部

 12月20日(火)の16:00過ぎ、体育館一階の和室から箏(こと)の音色が響いています。ノックをして中をのぞいてみると、箏曲部が稽古をしていました。


一般的な箏の大きさは、6尺(約182㎝)です。近くで見るとかなりの存在感です。


 この日の稽古は、外部指導員の先生に部員と顧問の3人で行われていました。

外部指導員の先生と向き合う手前の2人は、どちらも初心者です。


 箏の本体は桐の木をくり抜いた箱状の構造で、13本の弦(げん)が取り付けられています。それぞれの絃は柱(じ)と呼ばれる支柱の位置で音程が調節されます。

弦の音は柱の位置で決まるので、ギターとは異なり、指一本で弾けば、狙った音を出せます。


 箏の楽譜は独特です。縦に並んだ漢数字や「為」とか「巾」といった漢字が、指で弾く弦を指定しています。

楽譜が2列一組なのは、右手と左手で弾く音を同時に表しているからです。
ピアノを演奏する時、 右手でメロディーを弾き、左手でコードを弾くのによく似ています。


 この日、稽古していたのは、吉崎克彦さんによる「箏二重奏曲カナリア(金糸雀)」という現代曲です。合奏の中でよい音を出すことができれば、思わず笑みがこぼれます。

日本の古典文学では、箏の演奏を通して豊かな人間関係が育まれる場面が数多く見られます。
この伝統が、現代もなお受け継がれています。