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今、解纜(かいらん)の刻(とき) 高等部第22回卒業証書授与式②

* 解纜・・・船をつなぐ纜(ともづな)を解くこと。転じて船出の意味。

 3月1日(水)、高等部第22回卒業証書授与式が挙行され、135名が、南方の学び舎からそれぞれの進路へ向けて旅立ちました。この様子をお伝えする4回シリーズの第2回は、岡山市教育委員会祝辞より卒業生退場まで、式典の後半を取り上げます。

 岡山市教育委員会教育次長の奥橋健介様より祝辞をいただきました。

 奥橋様は、人気ロックグループRADWIMPSがNHKの番組「18祭(Fes)」のために作った “正解” の歌詞を引用し、「正解」のない人生の問いに取り組み続けて欲しいとエールを贈ってくださいました。

 
 在校生代表による送辞は、生徒会長の宗彩乃さん(2年次)が努めました。

 宗さんは、コロナ禍で、誰もが下を向きたくなるような状況でも負けることなく、仲間とともに前進し続け、一瞬一瞬を大切に過ごしていた卒業生の姿を称えた上で、「岡山後楽館」の伝統と精神を引き継ぎ、より向上させられるよう努力していくことを誓いました。

◇ 宗 彩乃さんによる在校生送辞の音声は、以下のリンクからお聞きいただくことができます。


 「答辞、卒業生代表 杉 幾 久(すぎ いくひさ)・・・」

 日差しが日に日に暖かさをまし、桜の蕾も色づきはじめ、心浮き立つ季節がやって参りました。本日は私たちのために、このような盛大で温かい卒業式を挙行してくださり、誠にありがとうございます。また、ご臨席くださった皆様に、心から感謝申し上げます。

 後楽館高校での三年間が持つ意味は、一人一人違いますが、私の場合は、「挑戦すること」に対する恐怖を乗り越える喜びを教えられた時間だったと思っています。

 逆説的ですが、「成長」が「後悔」を生むのだと、私は考えます。「後悔」が「成長」を促し、「成長」が「後悔」を生む。だから、「挑戦する」ということは、この連続の中で成長していけるということではないかと思えるようになりました。

 私達は・・・これから進む道も様々です。それは、芸能、福祉、医療、美容、観光、調理、建築、販売、研究と幅広く、就職もあれば、進む上級学校の種類も色々です。この、多様な夢を持つ、個性的な仲間たちに囲まれた環境こそが、「本当に自分は何がしたいのだろう」と、自分に向き合い、問いかけ、考える姿勢を身に付けさせてくれたと思います。

 「強い人だけが、居心地のよい世界を作るのでは駄目だ。」という考え方は・・・学校生活の色々な場面で、私たちに刻み込まれた価値観であると思います。

 ・・・私たちが踏み出していく世界は、環境破壊、戦争、進みすぎる技術革新の中で、課題は山積し、これまでの当たり前が通用しない世界です。道なき道を行く私達には、迷うこと、怖いこと、苛立つこと、不安なこと、沢山あると思いますが、その時こそ、この考え方を思い出しましょう。

 先生方、自粛だらけの学校生活の中、四国への代替修学旅行や岡山研修を企画してくださったことに、私たちを楽しませてくださろうとする先生方の優しさを感じました。日々の学校生活では、厳しく叱られたこと、言い分が聞き入れてもらえなくて反抗したこともありました。それでも・・・親身になってご指導くださいました。先生方の教えを、思い出しながら、頑張っていきます。

 保護者の皆様・・・私たちは期待通りに成長できているでしょうか。進路選択や日々の生活で、沢山の心配を掛けてしまいました。ぶつかることもありましたが、どんな時も、そっと見守ってくださり、また励ましてくださいました。私たちがこうしていられるのは、家族の支えがあってのことと思えるようになりました。みんなを代表して言います。十八年間ありがとうございました。

 最後になりましたが、三年間私たちを育んでくれた、母校岡山後楽館高校。そのさらなる発展を心からお祈りし、答辞といたします。

◇ 杉 幾久さんによる卒業生答辞の音声は、以下のリンクからお聞きいただくことができます。


「校歌斉唱」

岡山後楽館校歌
作詞:校歌制定委員会  作曲:廣本 孝雄  補作編曲:熊澤 住子

 ♪ わたしは生まれた 夢と笑顔をもって ひとつずつ自分らしい 花を咲かせるため

 友とすごすキャンパスは やさしさ香る街 ああ岡山後楽館 希望を胸に歩き出そう

 ♪ わたしは気づいた 愛と勇気をもって 支え合う心が 未来をひらくこと

 友と学ぶ窓辺には はるかな青い空 ああ岡山後楽館 その名を誇りにはばたこう

◇  岡山後楽館校歌は、以下のリンクからお聞きいただくことができます。是非、アクセスして式典会場の雰囲気をお感じください。


 いよいよ卒業生退場の時がきました。
 見送る教員団の先頭は、3年次主任 木村善幸先生(左)です。

 最後の卒業生が会場を後にして、高等部第22回卒業証書授与式が終わりました。